「だろう情報発信」より「かもしれない情報発信」でいこう。

スキマローカルメディア論アイキャッチ

この魅力を発信したいけれど、誰も興味を持たない“だろう”。

若い人はこんなもの好きではない“だろう”。

勝手な思い込みで情報発信のチャンスを逃してはいませんか?

コンテンツ企画の打ち合せや相談を受ける際、そんな「だろう情報発信」が生まれる瞬間に立ち会うことがあります。対象の分析がしっかりできているならばともかく、イメージで決めつけてしまうのはあまりにもったいないとわたしは思います。

そんな、いないかもしれない「一般人像」で企画を潰すよりも、あなたが好きなものはなんですか?どんな景色が好きですか?なぜここにいるんですか?自分を主語にしてみると、今まで思いつかなかった企画が生まれることもあります。

「わたしが好きなここを、好きになる人がいる“かもしれない”」

「一般的にはウケないけれど、分かってくれる人がいる“かもしれない”」

かもしれないと思うだけで、企画を尖らせることができます。企画が尖れば、情報発信の質は高まります。いるだろうと思える大衆に広く届けるよりも、いるかもしれない個人へ確実に届ける情報発信の方が、訴求性が高く行動してもらえる可能性が高いからです。

“かもしれない情報発信”を成功させるために大切なのは、伝えたいことをしっかり絞ること。しっかり言語化し、具体的に伝えられることです。もう少しいえば、「事実を述べていること」。

ある地域の良さを伝えるために、こんな話をしたことがあります。

突出したポイントが思い浮かばないので「何もないところがいい」を推していこうと思うがどうだろう?と相談されました。

  • 伝えたいことを絞る
  • 具体的に言語化する
  • 事実を述べる

これらを踏まえ、わたしはある移住者の言葉を思い出し「朝起きて窓から見える北アルプスがきれい」を推薦しました。

そんな小さなことをアピールしても伝わらないだろう、と思う前に「誰かが魅力を分かってくれるかもしれない」と信じて、小さなことからコツコツ情報発信していきたい、と思っています。

この記事を書いた人

Yamamoto Maya

観光ライター/地域コンテンツデザイナー/イベントプロデューサー
兵庫県出身長野県在住。国立大学文学部、出版社勤務を経て2016年にフリーランスとして独立。長野県の御朱印・社寺紹介サイト「ごしゅメモ」信州のスキマを好きで埋める「Skima信州」など5サイトを運営。外部メディアにてライターを務める傍ら、長野県内観光サイトの企画や地域イベントの運営などに携わる。